2013年10月25日金曜日

チョリップ村の【お約束の書】の物語16ページからあとがきまで

続けて投稿します!興味を持ってくれている方、本当にありがとうございます!
残り3ページ+あとがき。よろしくお願いいたします!
 
 
 
そんなある日のこと、王様が村人をお城に集めました。
 
 
「みんなに紹介したい人がいます。こんなハチャメチャな村に、
こんな僕のところに、お嫁さんが来てくれることになりました。」
 
みんなは急な話で少し驚いているようです。
 
王様は続けて話します。
「今のチョリップ村は、元気が無くなってしまったと僕は感じています。僕たちの結婚がチョリップ村に昔のような元気を取り戻すきっかけに
なってくれたら嬉しいです。」
 
 
お妃様になる方はどこか前の女王様に似ています。
 

突然一人の老人が「こんな村になってしまい、天国で女王様に合わせる顔がねえ。」と悲しみました。
また、ある老人が「みんな生きてて楽しいか?この村はすっかり変わっちまった。今の暮らしで本当に良いのか?後悔はないのか?」と大声で叫びました。
「オレは生きることがつまらない。自分の人生、もっと自分らしく楽しく生きたい!!」と、一人の若者が叫び返しました。
「ぼくも」「わたしも」と、どんどん続きます。
「何でこんな村になってしまったんだ。誰のせいだ!」
 
気がつくと新しい住人は消えて、いなくなっていました。
「誰のせいでもないと私は思います。自分に起きる問題は、いつでも自分に責任があるのだと私は思っています。もしも、まちがえていたと気がついたのならば、その時に正せば、それでよいのではないでしょうか。ごめんなさい。私、思ったことは黙っていられなくて。つい・・・」と、お妃様になる方が顔を赤くしました。

お妃様は誰にでも平等でした。そして愛に溢れていました。
お妃様の笑顔と優しさによって、村人たちは心満たされ、競い合うことをすっかり忘れてしまいました。
競い合うことをしなくなった村人は、自然に自分を認め、愛することが
できるようになりました。さらに他人を認め、誰もが平等で、村人一人
ひとりが特別で大切な存在だということを思い出すことができたのです。
新しい住人によって、一時は村がハチャメチャになったけれど、
新しい住人のお陰で、自分たちが【お約束の書】によって守られていた
ことに、改めて気が付くことができたのです。
もしかしたら新しい住人は、【お約束の書】の大切さを伝えるために
おくられた女王様の(つか)いの(もの)だったのかもしれませんね。
チョリップ村は、刺激的なことはあんまり無いけれど、みんなで、のんびり暮らしていると風の噂で聞きました。

おしまい。

あ と が き

                          高橋和恵

お読みになっていかがでしたか?「はてな?どこかの国と同じような気がするけど?」と感じた人もいるのではないでしょうか。

「お約束の書」とは、「日本国憲法」のことなのです。

今の私たちの生活、自分の考えを持ち、自由に考えられる。自由にものが言え、自由に行動できる。その他、色々の自由、権利のあること。

戦争に行かなくてもいい。これはどうしてでしょうか。それは、日本国憲法によって、保障されているからなのです。

「憲法」とはなんでしょうか。

国の基本的条件を定めた根本的な法規で、主権は国民にあること、国民のさまざまな権利、自由、即ち基本的人権を尊重すること。

その基本的人権を保障し、国民を守るために、どのように国を治めていくかの方法―国会、内閣、司法―を規定しています。

そして特に、日本国憲法は過去の悲惨な戦争を放棄すること、即ち非武装平和主義をうたっています。(前文、9条)

このように憲法は、国民の、国民による、国民のための政治(立憲民主主義)を行うための根本法なのですから、憲法を守るべき義務のあるのは政治を行う人たちであって、国民ではないのです。

それ故に政治を行う人が勝手に憲法を変えることがないようにとの強い思いを込めて、厳格な手続きを決めているのですし(96条)、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官、その他の公務員は、この憲法を尊重し、擁護する義務を負う」(99条)と、しっかり規定しているのです。

それが、今、変えられようとしています。

まず、手始めにと、厳格な規定である96条を改正し、簡単に憲法を変えられるようにしようとしていること。そうすることによって、第一は、軍隊を持たないとしている9条を変え、自衛隊を国防軍の名の下に軍隊とする。さらに安保条約を結んでいるアメリカといっそうの軍事一体化を目指す集団的自衛権を認めることを主張しています。

また憲法の下では、政治的発言、政治的行為のできない象徴である天皇を元首とすること。

元首とは、国を代表する資格を持った国家機関ということですから、政治的な力を持つことになり、国民による政治に反することになります。さらに公益、公の秩序の名の下に国民の権利、自由を制限しようとしています。これは国民を権力を持った人の意のままに動かしたいとの考えに基づいてのものです。日本国憲法では「国民はすべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来、国民に与えられる。」(11条)「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」(97条)と二度にわたって繰り返し規定されています。

これは人権が天から与えられた、生まれながらにしてもっている人間として生きる権利、自由であることを言っています。それが、公益、公の秩序といった権力者の意のままに解釈されるあいまいな基準で制限されることになったら、人権は無いに等しいものになってしまいます。

憲法が簡単に変えられてしまったらどうなるのか、自分たちの生活といかに関わっているのか、

私たち一人一人が憲法を意識していないとこわい結果になってしまうことを考えてほしいと願って、おばたさんと一緒に、この絵本を作りました。

今、領土問題で揺れています。国民の中にも軍隊が必要との意識が拡がりつつあります。

戦争によって得るものなど何もありません。

権利、自由は奪われ、被害を受けるのは、多くは弱い立場にある子どもや女性です。そして、戦争に刈り出されるのは、前途ある若者たちです。そして今や世界は、地球を滅ぼすだけの核を持っています。日本一国だけの問題ではないのです。

粘り強い交渉と対話によって、紛争を解決するしか、人類の生き延びる道はないのです。

日本国憲法前文で「全世界の国民が、人として恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とうたわれていることこそ、今、必要なことです。

日本国憲法の精神は今こそ大切にされなければならないと思います。

今一度、日本国憲法を読み直してみてください。そして変えようとしている憲法と読み比べてみてください。

 

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お礼の言葉                   おばたくみこ

最後までお読み頂きありがとうございました。
戦争のない世界。すべての人々が、生きる喜びを感じながら、生きられる世界になりますように。

以上になります!

こちらも1000冊 冊子を作り、約900冊の配布が終わっています。

1000冊作るのに7万円ちょっとかかりました。

カンパがたくさん集まれば、もう一度1000冊印刷するつもりですが、現実簡単には集まりません^▽^;

今、5万円強のカンパがあるのですが、「たつたろうの一生」ではなく、あと2万円集まるのを待って、「チョリップ村の【お約束の書】の物語」を作ろうか検討中です。

私としては、「チョリップ・・・」の方が伝えたいことなので、そう思うのですが、カンパはたつたろうに集まったもの。やっぱりたつたろうを印刷しようか。。。。

まだ、無料配布の「たつたろうの一生」は300部くらいあるので、もうしばらく悩みたいと思います。

さて、今度は子供向け紙芝居「たつたろうの一生」の物語を掲載予定です。

いつも応援ありがとうございます!

おばたくみこ


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