2013年10月25日金曜日

原発事故後 首都圏で初 シイタケ出荷再開へ

原発事故後 首都圏で初 シイタケ出荷再開へ

東京電力福島第一原発事故により国の出荷制限が続いている栃木県産シイタケについて、県は二十二日、矢板市の農家一軒の制限解除を国の原子力災害対策本部に申請した。国の事前審査は済んでおり、近く解除される見通し。シイタケの出荷制限が解除されるのは首都圏では初めて。
 栃木県の原木生シイタケ生産量は八八三・二トン(二〇一一年)で、群馬県に次いで全国二位。しかし、原発事故後、高い放射性セシウム濃度を計測、施設栽培で九市町、露地栽培で二十一市町に出荷制限がかかっていた。
 国は解除の条件として、汚染を防ぐための生産工程管理の確立などを規定。栃木県は県外産の原木の調達、原木の高圧洗浄など約六十項目にわたる生産工程管理マニュアルを独自にまとめた。
 県が今年八月、矢板市の「君嶋きのこ園」が県のマニュアルに沿って施設栽培した原木生シイタケ十二検体をモニタリングしたところ、二四・一~五三・七ベクレル(平均三八・一ベクレル)と、全て基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を下回った。県は、同園が施設栽培する原木生シイタケについて解除するよう国と調整を進めていた。
 今後、同様に安全を担保できると判断した農家について、個別に解除を申請する。
 ただ、原木生シイタケの生産農家は栃木県内に五百八十一軒(今年三月末現在)あり、解除の見通しがついているのはごく一部。施設栽培より生産量が多い露地栽培は先になりそう。福田富一知事は「一山越えたというところ。引き続き、早期解除を目指して取り組みたい」と話した。

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